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麻帆良白書 第1話(×幽遊白書) 投稿者:ケンツ 投稿日:04/08-00:54 No.7



  今も変わらぬその時代。地球上にはさまざまな世界があった。



  人間が主に住む世界の人間界・妖怪が主に住む世界の魔界・死んだ者が必ず通る霊界



  それらが均衡を保っていたところに一匹の妖怪が人間界で静かに暮らしていた。





          ――???????――





 暗雲が立ち込め、雷鳴が鳴り響く。

 雲のせいでもあるのか空には月や星などは無く、周りには森林のような緑が無いせいか、荒野の様に荒れ果てている。そんな殺風景の世界に一際目を引く立派な建物が佇んでいた。 

 遠目でも確認できる大きさ、数十人がかりで開けるような堅固な扉、各部屋にはおぞましいほどの人影。それだけでも相当大きな組織だと伺える。





 ここはその城のどこかの部屋であろう、そこに五人の男と二人の女性がいた。

 七人でいるには広すぎるくらいの広さ、それでも明かりはロウソク数本のみ。部屋を照らすには乏しいが、周りのものは誰一人不平不満を言わない。

 その者達の中である者は静かに構えており、またある者は落ち着きが無い様にソワソワしている。皆列を作るように並んではおらず、まばらに居座っていた。





「………………主様、……報告します。」



 彼等の後ろからまだ声変わりがしていないような口調が走る。ゆっくり開いた大きな扉から入ってきたのは少し小柄な少年。誰もが目を引くような照り輝くメタリックシルバーの髪。また深海を思わせるような蒼い瞳などの目立った特徴の少年だ。

 少年は周りにいる者ではなく、目線は彼等の後ろにあるカーテンに合わせ、何かを報告している。少年の表情はまるで機械の様に無表情であり、喋り方も何処となくぎこちない。





「うむ、分かった……。これでやっと計画に移せるな」



 カーテン越しから聞こえる声は意外にも重々しい口調ではなく、少年よりやや低いだけで周りのものを統率できるような年齢は想像できない。カーテンから見えるシルエットではどのような姿をしているのかも判断できなかった。





「ハッ、やっとこの隠居生活から開放されるぜ!」



 腰まで伸ばした炎のような真紅の髪。ギラリとみせる紅色の瞳。ひらりとゆれる腰に巻いた黒帯が余計に真紅の髪を目立たせる。

 言葉使いから、いかにも気性が激しそうに見える男は今の生活から開放されることに嬉しそうである。しかしその目は獣の様に強く輝き、誰も寄せ付けない雰囲気を出している。





「えへへ、おいら人間界なんて久しぶりだな~♪」



 ショートヘアーの金髪、瞳が赤褐色の少年は万遍の笑みを浮べながら腕をバタつかせ、嬉しさを表す少年がいた。

 身長からしてさっきの無口の少年より小さく、まだ幼少が十分ある少年だった。





「そうなんですか~? 私もわくわくしてますよ~♪」



 少年の隣にいた青年は藍色の髪を後ろで束ねており、瞳は黒、着ている服は昔に見られる白の着流しといった見た目は東洋人を思わせるような姿。言葉を発しなければ女に見えなくはないような中性的な顔の持ち主である。





「おいおい、目的が違うんじゃないのかい?」



 眼鏡の真ん中を右手の人差し指と中指で押し上げる男がさっきの二人の言葉を戒めるように指摘し、黒い笑みを浮かべながら言った。

 男は周りのものとは違ってこれといった特徴がなく、どこにでも居そうな人相・格好の男だった。





「そうよ、私達は遊びに行くんじゃないんだから」



 一人の女がさっきの眼鏡男の意見に同意するように言った。

 この者の姿は細々としたスタイルに色白い肌が目立つ顔が特徴。茶色に染まった髪がより一層目立たせ、右目が前髪で確認できないようになっていた。





「……………………………」



 一人の男はそのやり取りに関心を持たず、ただ無言で壁に寄りかかっている。

 男は黒髪で黒い瞳を持ち、周りの者よりは背は高いほうで無精髭を生やしながら袴を穿いているため見た目は侍のような時代違いの風貌。腰には見事な刀を差している。





「……とりあえず喧嘩だけは止めろ」



 一人の女性がそのやり取りがこれ以上発展しないように注意を促す。

 その女性は大地に根付く森林の様な見事な緑色の髪をしており、瞳は宝石のようなスミレ色、おっとりとした雰囲気を醸し出しているものの、気高い口調を発する。





「まぁよい、これより本格的に人間界に侵略を開始する! みなの者これからの成果に期待する……」





 皆の雑談を打ち切るように組織の主は笑い声を混ぜながら指令を送る。その言葉に周りにいたもの全て主に視線を変えていた。

 真剣な眼差しを向ける者・嬉しさと期待に胸を躍らせる者・何を考えているか判らない者。それぞれの思いを胸に皆主に向き直りその場に跪く。





「「「「「「「「はは、仰せのままに!!」」」」」」」」



 そして主に一礼をし、次の瞬間颯爽と部屋を出ていった。

 その行動は迅速かつ正確な動きで部屋を去る。





「氷蓮……ちょっと待て」





 最後に部屋を出ようとしたさっきの無表情の少年、氷蓮は主の言葉に足を止め振り返った。その表情はやはり変わらず無表情である。



「先鋒は君に任せる……良いな?」





「はい…………お任せ下さい」



 少年は終始無表情のままであった。この少年は過去に一体何があったのか? 表情を変えない少年の周りには不気味な雰囲気が醸し出しているように見えた。

 そして少年も部屋を出て行った後部屋にはこの建物の主と不気味な静けさだけが残っていた。





           ==プロローグ 異世界への扉==





           ――皿屋敷にて――





 燦々とした青空、そこに照り輝く太陽が眩しい昼下がり。人々が働きアリの様に地球上でせっせと動き回る。

 ここは皿屋敷。特に変わったところが無く、いつもの日常を演出している。

 そこに一つの一軒家、表札には“南野”と書かれていた。

 

 その家の一人の青年は玄関で靴紐を結んでいる。どこかへ出掛ける様子にその場にいた青年の母は微笑ましい笑みで青年を見ている。





「それじゃあ母さん、行って来ます」



「ええ、気をつけてね秀一」





 靴紐を結び終えた青年は立ち上がり、笑顔で母親に向き直る。秀一と呼ばれる青年は自分の母に出掛けることを伝え、家を出た。

 青年の名前は南野秀一。背中まで伸ばした炎のように輝く赤髪、瞳は新緑を感じる緑色。身長は高く、180ぐらい長身の持ち主だ。だが顔は年齢のわりに多少の幼さが感じられてはいたが、その姿から振り返らない女性はいないくらいの容姿の持ち主であった。





「みんな元気でいるのかな?」



 家を出て直ぐ笑みを浮べる秀一は昔のことを思い出し、久しぶりに会う戦友のことを気にかけていた。

 そう、昔はいろいろなことがあった。母のために霊界へ行って三大秘宝を盗んだこと、母が危険な状態になった時に手を貸してくれた霊界探偵、暗黒武術大会に出て強敵達にに決着をつけた事、人間界を救うため友人の死に対して魔界まで行き戦った事、仲間の発言で魔界全域を巻き込んだ武道大会。

 良い思いでも嫌な思いでもあったが、今となっては昨日のことの様に懐かしく感じる。

 そんな感傷に浸っていた秀一であったが……





「おおい、蔵馬~!」





 不意に一人の青年が呼びかけたことにより意識を戻した。

 声を掛けた青年は茶髪のリーゼント、また秀一より高い身長の持ち主であり、一般人であまり関われないようなルックスでもあった。彼の名は桑原和真、秀一の戦友の一人である。そして彼が秀一を蔵馬と呼ぶのは理由があった。

 秀一の本当の名前は蔵馬、実は彼の本当の姿は妖怪である。今は人間の姿をしているものの、彼は今人間界で家族とともに静かに暮らしていた。

 



 蔵馬は桑原に呼ばれたのに気づき、急いで彼の元に駆け寄った。その表情は崩さずにこやかなままであり、やはり久しぶりに戦友に会えたことが嬉しいようである。





「はやく浦飯ん家に行くぞ! あいつきっと待ちくたびれてっからよ」



 桑原は蔵馬が来るのを待ちきれなかったのだろう、急かす口調と同じように表情にも表れていた。

 

「ええ、そうですね」 



 笑顔を浮べたまま蔵馬も相槌を打ちながら、もう一人の戦友……浦飯幽助に一秒でも早く会いたかったため二人は急いで浦飯家に行くことにした。





          ==浦飯宅にて==





 早速浦飯家に入った蔵馬と桑原。そこで二人が見た者は黒髪のリーゼント。蔵馬や桑原の様に身長は高くなく、少し小柄な青年であった。そのあぐらを掻きながらタバコを吸っている青年こそ浦飯幽助だった。

 幽助は長い間待っていたせいか退屈そうにしていたのだが、蔵馬達の姿を見るとすぐに表情を変え、出迎えに来てくれた。





「おう、蔵馬。お前にしては随分遅かったな」



「なに言ってやがる! ここじゃなかったら遅刻すんのはいつもテメェだろうが!」



 冗談交じりにケラケラ笑い出す幽助。蔵馬は分かっていたのだが、彼の親友桑原は冗談に聞こえなかったのだろう。直ぐさま幽助の発言に憤りを感じながら異議を唱える。

 そう、幽助はいつも遅刻する男であり人の事を言える立場ではなかった。それ故に桑原が文句を言ってはいつも喧嘩をしているのである。

 幽助の笑顔とは逆に怒りを含んだ表情の桑原。対照的な二人のやり取りを見ていた蔵馬も思わず笑みがこぼれる。



「ふふ、主役は遅れてくるものですよ」



 蔵馬もお返しとばかりに悪戯を含んだ表情で冗談を飛ばす。蔵馬の冗談に呆気に取られた顔をする幽助達。見事同時に同じ表情を見れたためか今度は腹の底から笑ってしまった。





「蔵馬、オメェまで……」



 桑原は蔵馬までもがこのような発言をするとは思ってもみなかったのだろう。一瞬顔を豹変させたが、すぐに冗談だと気づき、呆れた表情になる。

 幽助に至っても、してやられた様な表情を見せた。





「それより、用って何だよ?」



 幽助はそろそろ蔵馬が此処に来た用件を聞くため、さっきとは違い真剣な表情を見せながら蔵馬に迫る。

 そう、蔵馬はただ遊びに幽助たちの所へ来たのではなく、重大な用事を預かっており、それを伝えるべく来たのである。



「そうだな……ところで飛影は?」



 蔵馬は用件を話そうと思ったが、幽助宅へ来てから一度ももう一人の戦友“飛影”に会ってはいない。いつ言おうかと迷ってはいたものの、幽助たちがあまり気に止めていないようであったため、聞くに聞けなかった。





「あいつが、来るわけねぇだろ! まったくどこに居やがんのだか」



「ん? そういやぁアイツどこいったんだ?」



 蔵馬の質問に初めに答えたのは桑原。彼は少し苛立ちながらここに居ない飛影を邪険する。彼らが会うとこれまたいつもお互いに貶しあい、喧嘩になってしまうため蔵馬もことごとく彼等には呆れていた。

 どうやら向かい側にいた幽助の発言からするとさっきまで飛影はこの場にいたようだ。しかし、幽助も飛影の存在に今気づいたようであり、そのとぼけた表情に蔵馬もまた呆れた溜息が出る。





「それじゃあ話しますね(飛影は居ないが……まぁいっか)」



 多少の気がかりは有ったにせよ、今はそのようなことに構っている暇など無かった。

 一度浅く深呼吸をし、タイミングを見計らう。

 幽助たちは既に真顔で蔵馬に視線を向けていた。





「実は今魔界で神隠しが流行っているそうです」



 蔵馬はいつになく真剣な表情で口を開いた。一瞬幽助の部屋はシンと静まり返る。

 真剣な表情で言っている割には内容があまりにもおかしなものだったため幽助と桑原は暫く声が出なかった。

 蔵馬もこんな事を言う自分に内心羞恥心が芽生える。今となっては言わなくても良かったのではないかと訝しく思った。





「「神隠しだと~!?」」



 二人とも考えていることは同じなのだろう。幽助と桑原は同時に声を上げ、表情も全く一緒だった。

 蔵馬は二人のリアクションが面白かったのだが、どうやって説明をしようかと困惑していた。

 



 ――おいおい、今時神隠しなんて馬鹿じゃねえか?



 ――ったく、魔界も大変なことになってんな~





 上から幽助、桑原の考え。お互いいろいろなことを思ってはいるものの、まだピンと来てはいないようだ。幽助は考えるのが嫌になったのかまたタバコを吸い始め、桑原は腕を組みながら物思いに耽っているように蔵馬には見えた。





「ああ、黄泉から聞いた話なんだが最近魔界では何の音沙汰無く妖怪が失踪しているそうだ」



 二人の考えていることを聞かず蔵馬は淡々と話を進める。



「おい、蔵馬……“それ”を俺達に伝えろって言った奴は……」



 引きつった表情で幽助は蔵馬に尋ねる。蔵馬も幽助の考えが分っているようだ。

 幽助ならきっと聞いてくるだろうと思っていたのだが、こうも予定通りに進むと逆に嫌なのか、自分に溜息が出てしまう。



「コエンマですよ。黄泉から聞いた後直ぐ連絡が来ましたから……また『以上、気をつけるように!』だそうです」



 何を気をつけるのかさっぱり分らない三人だった。“神隠し”がどこで流行っていようとも具体的な対策無しではどうしようもない。

 三人とも一緒なことを考えていたせいだろう。見事同時に溜息が出た。

 “三人とも”だったためかお互いに顔を見合わせ、みんな我慢しきれなかったのか三人の顔に笑みがこぼれる。





「まぁ、魔界で起きてんなら俺達には関係ねえよな」



「考えていても仕方ねえぜ! ここは気楽に行こうや」



「確かに……」





 流れに乗ってか幽助はケラケラ笑いながら言った。

 桑原も幽助の考えに賛成のようで気合の入った声を上げる。

 蔵馬も二人の考えに賛成していた。魔界だけで起こっているなら人間界には関係ないのでは? その可能性はゼロとは言い切れないものの、蔵馬にとってはもうどうでも良くとも感じていたためか、静かに頷くだけだった。





「それじゃあ俺は帰りますね。用はこれだけですから」



 用件だけ言うのも何だか気が引けるのだが此処に居座る理由も無く、已むを得ず帰る事にした。 

 



「たまには遊びに来いよ! 雪菜さんもきっと喜ぶからよ」



 桑原は今一緒に住んでいる雪菜と言う女性のことを気にしているからだろう、蔵馬に遊びに来るように誘う。

 雪菜は今この場にいない飛影の妹であり、何やら桑原の父の計らいで人間界と魔界の均衡を保つべくホームステイの形で桑原家に居座ることとなった。

 もっとも桑原は雪菜に好意を寄せてはいるものの、未だ実ってはいない。





「えぇ、いずれ行きますよ」



 蔵馬は笑みを浮かべながら桑原の誘いに承諾し、幽助達に別れを告げた。

 最近お互いに忙しいせいかなかなか会う機会すら無かったのだが、今こうして彼等の元気な姿を見れただけでも心が和むのは今まで余裕が無かったのかもしれない。





 蔵馬は幽助の家から出て行ったあと、やはり神隠しのことが気がかりだったため険しい表情をしながら歩いていた。





「神隠しか……、まさかね」



 蔵馬は近い将来何か重大な事件が待っているのではないかと不安を抱えたまま歩いていたが、しかしそれがただの杞憂だと自分に言い聞かせると特に気にすることなく帰宅しようする。





「…………何だ? 妙に静かだな」



 そんな嫌悪の考えをしていた時だった。いつもの通り道、深夜でなければこの道にはいつも人が通るのだが、今は誰一人としていない。

 周りの店や家からも人影は無く何も物音がしない。シンと静まり返った空間にはまるで自分がここに来るのを待っていたかのようにどこかで誰かが高笑いをしているように思える。



「俺に何のようだ? さっさと姿を見せたらどうなんだ」



 この異常な雰囲気を直ぐに察知した蔵馬は何者かを突き止めるべく無音の空間で一人声を上げる。

 だが、蔵馬は分っていた。今この場に自分以外誰もいないことに。

 気配だけでなく、襲い掛かってくる様子も無い。そんな不気味な時間を感じては冷や汗が頬を通る。

 

 

 ――サァァ





 無音だった空間に風か吹く。

 風は周りの木々を揺らし、蔵馬の髪をなびく。 



「っ? 何だ?」



 突然吹いた風に戸惑いながら蔵馬は周りを見渡す。しかし、未だ人影も現れず、風の音だけしかしないこの空間に危険を感じたか一刻も早くこの場を去ろうとした。





 ――…………ケタ



「えっ?」



 だが一瞬聞こえた何者かの声に足を止めた。

 子供のような無邪気な声。本当に誰かいるのかと困惑した表情でもう一度辺りを見回すが、誰もいない。



 

「おい、いい加減にしろ。俺に用があるんだろ」



 嫌な威圧感と居心地の良い暖かさが混ざり合い、深い嫌悪感が降り注ぐ。

 身構えていたものの、未だ風の音しかしないこの空間で一体何が目的なのだろう? ただ疑問に思うだけで行動に移せなかった。



「この風……まさか」



 どんどん強くなる風に蔵馬は一つ分ったことがあった。



 ――これは……俺を中心に吹いている?



 周りの木々は激しく枝が揺れ動いているにもかかわらず、自分には優しく吹き付ける。

 自分の知っている妖怪には風を操る者がいたが、自分にはそのような能力など無い。収まらない突風は勢いをさらに増し、この場を離そうとはしない。



 

 ――ミツケタ……



「っ!?」



 今度ははっきりと聞こえたさっきの声。

 しかし気配など感じず、やはり声の発生源は何処からか分らない。 

 それに何を見つけた? 意味が分らない言葉に疑問を抱きながらも次の思考に移る。 

 

 ――後手に回るが仕方が無い



 蔵馬は最悪の事態を考え、相手の行動を伺うべくその場に動こうとはしない。

 しかし、そんな考えとは裏腹に足元から妙な光を放つ何かを見つけた。

 

 それはファンタジーで見るような見事な魔法陣。眩しすぎる光を放ち、どこかへ連れて行こうとするべく、誰かに引っ張られるような引力を感じる。



「な、なんだこれは!? く、うわぁぁぁぁぁー!!」



 体で危険だと判断した蔵馬だったが、周りの突風・少しの躊躇に逃げることは不可能だった。  

 蔵馬の姿は一瞬のうちに消え、魔法陣も直ぐに消えた。 



 蔵馬が消えた後、あれだけ吹き荒れた突風は無くなり、人々が現れるようになる。まるで何事も無かったかのようにいつもの賑わいを見せた。





 一人の青年が異世界への扉をくぐった。

 それは運命なのか? はたまた神の悪戯か? 今、運命の歯車は回り始めた。これが始まりの合図だといわんばかりに。

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